これからの時代


 

戦後、日本は工業化に転じ、急速な都市化が進み、それに伴い、農村は衰退の一途をたどりました。

 

 

 

私たちの時代は、いい大学に行っていい会社に入り、街に出て、立派になるんだよ・・・と言われ大きくなりました。田舎に住んでいるものは、街で通用しない(あかんたれ)=(出来の悪いもの)と思われてました。

 

 

 

そのおかげで、都市は急速に発展し今の素晴らしい日本があるのも事実ですし、先人たちが築いてこられたものを否定する気もございません。

 

 

 

しかし、良くなった反面、悪くなった事、捨て去られたものがあることも否定できません。環境問題、健康問題はその大きなものといえるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 「茅葺き民家は日本のみならず、世界を救う・・・そしてこれからは田舎の時代」私はそう思っています。

 

  

 

 茅葺き屋根に使うススキは水と、光エネルギーにより、大きくなり、肥料も必要とせず、毎年育っています。人々はそれを2000年以上前から、肥料、燃料、資源とし、共存していました。

 

 

 

それが、ほんのここ5、60年の間でしょうか?石油という資源に変わり、人々の生活が大きく変わりました。楽に、早く、安く、全てが効率化され、本当に大切なものが、随分失くなってしまいました。

 

 

 

 

 茅葺き屋根もその一つです。

 

 

 

屋根で煤けたススキは、最高の肥料でしたが、科学肥料に変わり、燃料は、当然石油が主体となっています。車の普及で牛や、馬も家庭には必要なくなり、ススキを使うのは屋根だけ・・・となりました。そうなると手間のかかるすすきの刈り取りは厄介なものに変わってきました。その結果、屋根が簡単なトタンにかわり、茅場は必要なくなり、木が植えられたり、草原から、雑木林に変わったり、はたまたゴルフ場になったり・・・

 

 

 

明治時代には、国土の30パーセントが草原でした。現在はわずか3パーセントにまで狭まっています。そのことで、草原に住む昆虫や、昆虫を餌とする野鳥が激減し、また草原にしか咲かない野草も消滅しました。(このままでは、今度は、絶滅するのは人間なのかも・・・と思う時があります。)

 

 

 

 材料である、ススキがなくなり、その結果、職人は他の仕事に移り、茅葺職人も激減。

 

 

 

屋根葺きにかかる費用も現在では、高額なものになってきています。

 

 

 

しかしすべてが手仕事なので、今の単価に合わせると、けっして高くはないのです。

 

 

 

文化財だけではなく、茅場の整備、茅刈り、一般の民家の屋根葺きにも、補助金を出してほしい・・・そんなことを思っております。なぜなら、ススキの草原が増え、環境が戻ると(温暖化にも大きな影響をあたえます)これからの世界に対しても嬉しいことばかりだからです。

 

 

 

 

 

 日本はもう行き着くところまで行っています。これからは、どう熟成していくかにかかっております。近い将来、 都市・・田舎の2極化のどちらかになるかと思いますが、日本を誇りに思いそのためにどうするか・・・。

 

 

 

文化、芸術、伝統、自然が見直される。・・・そんな時代にならなければ、明るい未来はないと切に思います。

 

 

 

 

 

これからの時代をより良くしていきたいです。

 

 

 

 

 

                                           美山茅葺株式会社 代表取締役 中野 誠