
温かい日差しの中で、野花が咲き始め、やっと春を感じる季節となりました。
すっかりご無沙汰になってしまいましたが
今回のブログでは、美山町北村にある「やっしょもん小屋」の棟上げ式について書きたいと存じます。
「やっしょもん小屋」の茅葺き工事は、農小屋のトタン屋根やら茅葺屋根に葺き替える復元工事です。
12月末に屋根構造のレン組を行い、積雪の期間を経て、3月より茅葺工事が行われています!
工事工程としましては、
屋根構造のレン組み→竹による下地組み→麻の編み付け→軒付け→平葺き→葺きどめ→棟づくり→仕上げの平刈込み・軒刈込み
と大きくこの様な段階がございます。
そして、3月26日には、棟づくりが完成し「棟上げ式」が行われました!
棟づくりは、その地域によって形状が異なり、茅葺屋根の特徴が大きく現れる部分です。
美山町の民家の棟づくりは「置き千木形式」が分布しています。
形状の特徴としまして
葺きどまりの天にあたる茅でつくられたアンをトタンと杉皮で覆います。
桁方向に「カラミ」という角材を片面に二本ずつと杉皮の天に「ヒ」を渡します。
その上から棟をまたいで千木状の「ウマノリ」を5対くみ、その交差部に「ユキワリ」という丸太を桁方向の通した形式です。
今回の茅葺工事にもこの形式によって進められました!

棟づくりができると、「棟上げ式」を行います!
棟上げ式を行うと、その建物には神様が宿るといわれ、それ以降の作業では、棟を足でまたぐことはしません。
また、茅葺道具に使わてる「大ばさみ」と「はり」を屋根に置き、火の元の厄除けを意図した「水」の漢字に見立てます。
お塩とお酒で清め、二礼二拝一礼を行い、棟上げ式は完了します。
屋根の棟ができるということは、とても重要視されてきた風習が今も残っているのです。

棟もできで、一時ほっと息をつく中、親方のハサミの使い方を聞かれている皆さん。
勉強熱で本当に尊敬します。
あと少し先の完成に向けて、もうひと踏ん張りです!

岡
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