
【工事概要】
■ 工事名
美山町北 K邸葺き替え工事
■ 工事場所
京都府美山町
■ 工期
約1ヶ月
■ 工事概要
南面大間アリゴシまで、東面妻、西面妻の葺き替え
■ 担当者コメント
今回の現場は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている「かやぶきの里」の集落内でした。
美山の茅葺き民家は「北山型」と呼ばれ、入母屋造りの屋根の上に「馬のり」と呼ばれる千木(ちぎ)、さらにその上に「雪割り」と呼ばれる木が設けられているのが特徴です。
今回の工事では、傷みの進んでいた「アリゴシ」より下の部分を葺き替え、上部は既存の屋根に丁寧につなげるかたちで施工しました。
お施主様は屋根裏にたくさんの茅を保管されており、茅葺きへの思いや愛着が日々の暮らしの中にしっかりと根付いているのを感じました。
そのお気持ちに少しでも応えられるよう、心を込めて仕事に取り組みました。
休憩中にはお菓子や飲み物を差し入れてくださったり、進捗を気にかけて声をかけてくださったりと、お施主様との距離が近く、あたたかい現場でもありました。職人として、とても励みになる日々でした。
また、今回葺き替えた東側の屋根は、約25年前に親方が一人で葺いたものでした。その茅の減り方がとてもきれいで、まさに理想的な経年の姿でした。
親方の仕事に直接触れ、その技を学ばせてもらえたことは、非常に貴重な経験になりました。
工期中には連休も挟み、工程や足場の位置には特に気を配りながら、お施主様の生活をできるだけ妨げないよう工夫しました。
連休前には屋根を塞ぎ終える必要があり、スピードも求められるハードな現場ではありましたが、それだけに達成感もひとしおです。
この集落の風景を守るために、そしてこれからも安心して暮らしていただけるように、一つひとつの現場に丁寧に向き合っていきたいと思います。
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