慧日寺 庫裏(国登録有形文化財)葺き替え工事完了

【工事概要】

 

■ 工事名

慧日寺 庫裏 葺き替え工事

 

■ 工事場所

兵庫県丹波市

 

■ 工期

約2ヶ月半

 

■ 工事概要

南大間面の葺き替え

 

 担当者コメント

今回の現場は、昨年末に本堂の葺き替えをさせていただいた兵庫県丹波市・慧日寺様。その庫裏の葺き替え工事を担当いたしました。

庫裏としては珍しく、一面だけで200平方メートルを超える大きな屋根で、国登録有形文化財にも指定されています。現場に立つ私たち職人にとっても、その迫力は圧倒されるものでした。

 

丹波は美山と異なり雪が少ない地域であるため、屋根勾配が緩やかで、その環境に合わせた葺き方が求められます。

これほど大きな屋根では全体の姿を確認しながら葺き進めるのが難しく、思い描いた屋根面を形にしていくことには苦労もありましたが、その分職人としてのやりがいや挑戦の楽しさを強く感じる現場でもありました。

 

屋根裏にはお施主様が檀家の皆さまと協力して刈り貯めた茅があり、今回の葺き替えでも大切に使わせていただきました。さらに、お施主様からは毎日のように冷たい飲みものやお茶菓子をご用意いただき、暑さを気遣ってくださるなど、私たち職人を大切に思ってくださる温かさも感じました。

これだけ大きな屋根を維持することは容易ではありません。それでもトタンを被せることなく、茅葺きの景観を未来へ残していきたいというお施主様の想いに触れ、職人として嬉しく感じると同時に、大きな責任も感じました。

 

毎朝仕事を始める前には、昨年末に葺き替えた本堂へ手を合わせてから作業に取り掛かりました。

そのおかげもあってか、無事に怪我なく現場を終えることができたように思います。

 

今回の現場には、美山の社員だけでなく他事業所からも応援が駆けつけてくれました。

力を合わせて大きな屋根に取り組む中で、茅葺き業界全体としてのつながりや文化の豊かさを改めて実感できたことも、大きな収穫でした。

 

私たち職人は屋根を葺くことはできますが、日々の暮らしや次の葺き替えに向けた材料の準備は、お施主様や地域の方々の支えがあってこそ成り立ちます。茅葺きを大切にしたいという想いがあるからこそ、私たちは日々の仕事に向き合うことができます。

 

そのことへの感謝を忘れず、これからも一つひとつの現場に真摯に向き合い、茅葺きの魅力を次世代へ繋いでいきたいと思います。

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