 
    
【工事概要】
■ 工事名
美山町内久保 水車小屋 修復工事
■ 工事場所
京都府美山町
■ 工期
約3週間
■ 工事概要
全面修復工事
■ 担当者コメント
今回の現場は、京都府南丹市美山町内久保にある水車小屋でした。
この水車小屋は、令和7年7月に地域で発生した火災により被災しました。長年にわたり地域のシンボルとして親しまれてきた場所だっただけに、集落の皆さんのショックも大きなものでした。
    火災のあと、地域の有志が中心となってクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げ、再建に向けた取り組みが始まりました。私たちは、その中で茅葺き屋根の修復を担当させていただきました。
    (詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
今回修復する際に使用した茅は、水車小屋に隣接する「宿苑 勘兵衛」のご主人が毎年刈り取り、保管してこられたものでした。火災の際に火を免れた大切な茅を使わせていただき、屋根内部で火の回っていなかった部分の茅も再利用しました。新しい茅だけでなく、かつてこの屋根を支えていた茅を生かすことで、建物の記憶をつなぐことができたように感じます。
また、棟の一番上に載せる「雪割り」と呼ばれる丸太も、ご主人が自ら山に入り、切り出してくださいました。棟上げの日には、勘兵衛のご一家にもご参加いただき、一緒にご祈祷を行いました。
火災後は落ち込みがちだったという勘兵衛のお母さんも、工事が進むにつれて少しずつ明るい表情を見せてくださるようになり、その姿に私たちも励まされました。
この「水車小屋」は、地域の方々の思いが詰まった建物です。その復旧に携われたことを誇りに思うとともに、工事を通して地域の皆さんの気持ちが少しでも前向きな方向へ進むきっかけになったのなら、これほど嬉しいことはありません。
今回の修復工事を通して改めて、茅葺きの力と人のつながりの大切さを感じました。これからも一つひとつの現場に誠実に向き合い、地域の風景を支える仕事を続けてまいります。





 
                         
                         
                         
                        
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